スマホを安全に使うための「ワンクリック詐欺」の対処と予防
2024.01.31 お役立ち情報
パソコンやスマホなどのデジタル端末の普及が進んだことにより、私たちの生活は大きく変化しました。もちろん、便利になったという側面がある一方で、ネットに関するトラブルや悩みも多くなっています。今や私たちの生活とネットを切り離すことは難しく、安全にネットを利用するためには、トラブルへの対処法や予防策を考えることが必要です。
そこで今回は、スマホを安全に使うために、ワンクリック詐欺の対処や予防の方法についてご紹介します。
1.ワンクリック詐欺とは?
携帯電話やスマホなどモバイル端末でのWebサービスの利用が一般化しはじめたころから、悪質な詐欺が増加しました。ワンクリック詐欺もその1つです。最近では単にワンクリック詐欺といっても、さまざまな種類のものがあります。
1-1.メールやSNSに記載されたURLをタップすることによるワンクリック詐欺
ワンクリック詐欺の名前の由来にもなっており、もっとも一般的なものが、メールやSNSなどに記載されたURLや、リンクボタンをタップすることにより、有料サービスに登録されたことになり料金の請求を受けるというものです。
もう少し具体的に説明すると、スマホに届いたメールに「お得な情報はこちら」といった形で誘導するようなURLが記載されており、それをクリックすると「ご入会ありがとうございました」といった画面に遷移します。画面にはスマホの個体識別番号や端末情報、プロバイダなども記載されており、個人情報がすべて伝わっていると思わせて、高額な入会金や年会費などを請求するといったものです。
最近では、大手企業や金融機関の名前を使った詐欺メールなども多く、より巧みにURLやリンクボタンへのタップを誘導されるケースが増えています。
1-2.Webサイトのポップアップをタップすることによるワンクリック詐欺
ネットサーフィンをしていると、ポップアップ広告などが突然表示されることがあります。これも、ウェブ広告の1つの形で、通常は誤ってタップしたとしても、広告元のサイトに遷移するだけで、問題はありません。しかし、中には登録完了ページに飛ばされ、先ほどご紹介した一般的なワンクリック詐欺のケースと同様に、入会金や年会費などを請求されることがあります。
また、ウイルスへの感染やシステムエラーが発生したと不安を煽り、クリックを促す広告もあるため注意しましょう。
1-3.アプリのダウンロードによるワンクリック詐欺
スマホはアプリをダウンロードすることで、より便利にWebサービスを利用できます。アプリは公式ストアからダウンロードするため、すべて安全と思われがちです。しかし、一部の悪質なアプリでは、年齢確認ボタンなどをクリックすると、登録完了画面が表示され、料金を請求されることがあります。
アプリを利用したワンクリック詐欺は、手口が巧妙となっているため、被害は増加しているのです。
1-4.動画ダウンロードや再生によるワンクリック詐欺
今日ではWeb上でさまざまな映像コンテンツを楽しめるようになりました。そのため最近は、テレビやDVDよりも、Web動画を観ることのほうが多いといった方がいます。そのため、動画のダウンロードや再生によるワンクリック詐欺も増加しています。
動画ダウンロードや再生によるワンクリック詐欺では、無料の動画サイトを装っていたり、大手動画サイトを装っていたりするため注意しましょう。
2.被害状況をご紹介
不正・架空請求などのネット関連トラブルは、テレビや雑誌などのメディアでも取り上げられることが多いテーマです。では、実際にはいったいどのくらいの件数が発生しており、状況はどのようになっているのかご説明をいたします。
2-1.あなたのスマホに起こる可能性も!?
スマホやインターネットが毎日の暮らしに欠かすことができないほど身近になる中で、インターネット上で起こるトラブルやサイバー犯罪も増加傾向です。スマホの画面に突如として現れる不正、および、架空請求もこうしたサイバー犯罪の一つです。
インターネット上に発生している犯罪は手口が高度化し、種類も拡大しているため、思いもよらぬタイミングで、サイバー犯罪はスマホユーザーに忍び寄ります。つまり、この類の災難に見舞われる可能性はけっして珍しいことではなく、誰にでも起こりえることなのだといえます。
2-2.1年間で検挙件数が約1万件!増えるサイバー犯罪
警察庁の発表によるとサイバー犯罪の検挙件数は2019年に9,519件で、2020年には9,875件でした。また、警察庁に寄せられたサイバー犯罪に関する相談の件数はというと、2018年のデータでは12万6,815件となっています。インターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数は2019年1,872件、2020年1,734件という推移になっています。
このような、いわゆる「ワンクリック請求」をおこなうことを目的としたサイトには、次々と新規のものが増えており、閲覧者を誘導するテクニックも巧妙になっています。アダルトサイトなど、大人向けのコンテンツを扱っているサイトも多くみられる一方で、ゲームやアニメ関連のWebサイトなどもあり、ワンクリック請求サイトが扱うコンテンツの多様化も確認されています。なかには、競馬の予想情報を提供するというWebサイトまであります。
ごく日常的に使っている検索サイトから、いつのまにかワンクリック請求をおこなうサイトへと誘導されてしまうため、被害に遭う利用者の年齢層は子供から高齢者までと幅広く、性別も問わないというのが現状です。
3.ワンクリック詐欺の被害を受けた際の対処方法
ワンクリック詐欺は手口が年々巧妙になっているため、気を付けていても絶対に大丈夫とはいえないでしょう。今後も新たな手口によるワンクリック詐欺の増加が懸念されます。そのため、インターネットを利用する時点で、ワンクリック詐欺を完全に回避することは難しいのが現状です。そこで、万が一、ワンクリック詐欺にひっかかってしまった際の対処方法とポイントを知っておきましょう。
3-1.不当な請求は徹底して無視する
原則として、ワンクリック詐欺におけるベストな対処方法は無視することです。そもそも、契約は当事者双方が合意していなければ成立はしません。つまり、不当な請求に対する支払い義務はないのです。多くの方が高額な請求を受けると焦ってしまいますが、金銭の支払い義務はありません。
3-2.クリックしただけでは個人情報は流出しない
詐欺サイトでは、スマホから個人情報が抜き取られているよう誤認させるために、画面にスマホの端末情報やIPアドレスなどが表示されることがあります。しかし、端末情報やIPアドレスなどの情報は、Webサイトを閲覧する際に、相手に関わらず発信されている情報です。
つまり、これらはデバイスの基本情報であって、利用者の名前や電話番号、住所などの個人情報は、クリックしただけでは分かりません。期日内に支払わなければ「延滞料が発生する」「法的手段を取る」といった文言が記載されていますが、単なる脅しです。
そもそも成立していない契約における請求に延滞料が発生することはありませんし、法的手段も取りようがないため安心してください。
3-3.こちらから絶対に連絡しない
ワンクリック詐欺のサイトにはよく退会するための連絡先や電話番号が記載されており、こちらに連絡しない限りは請求が続くといった旨が記載されていることがあります。しかし、ここで連絡してしまうと、メールアドレスや電話番号が伝わってしまい、連続して支払いを求める電話やメールが届くようになります。そのため、こちらからは絶対に連絡しないようにしましょう。
3-4.何があっても支払わない
万が一、連絡してしまったことで執拗に支払いを迫ってきた場合、国民生活センターや警察に相談しましょう。ただし、一度支払ったお金を取り返すことは困難なため、何があっても支払わないようにしましょう。
4.ワンクリック詐欺を予防するには?
ワンクリック詐欺の手口も年々巧妙になっているため、完全に予防することは困難です。しかし、ある程度の予防策を頭に入れておくことで、ワンクリック詐欺にひっかかるのを防ぐことができます。そこで、ワンクリック詐欺の予防策をご紹介します。
4-1.ネットサーフィンは慎重に
まず、怪しいサイトにはアクセスしないことです。これを心がけることで、ワンクリック詐欺に遭遇するリスクを大幅に減らすことができます。特にアダルト系サイトにはワンクリック詐欺が仕込まれているケースが多いため注意しましょう。
4-2.怪しいメールは開かない
メールについても同様で、見知らぬ相手からのメールを不用意に開封したり、中のURLや画像などをタップしたりしないことも大切です。SNSの場合も、基本的には知らない相手からのメッセージに記載されたアドレスはタップしないようにしましょう。
4-3.アプリの提供元を確認する
アプリをダウンロードする場合、提供元情報を確認しましょう。提供元情報が確認できない業者のアプリには、ワンクリック詐欺が仕込まれている可能性が高いため注意が必要です。
スマートフォンを安全に使用する設定はできていますか?
今回は、スマートフォンを安全に使うためのワンクリック詐欺の対処と予防についてご紹介しました。万が一、ワンクリック詐欺に引っかかってしまった場合の対処方法は無視することで、業者に連絡する必要はありません。また、何があってもお金は支払わないようにしましょう。安全に使用するために設定の見直しも大事です。
では、スマートフォンの基本設定や用途に合わせてアプリをダウンロード及び設定などのご依頼を承っておりますので、ご希望の際はお気軽にご依頼ください。
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